「東京いい店やれる店」の店が廃墟だったら

好きな本に「東京いい店やれる店」があるのだが、その本は、その名の通り、ここに載ってる店を使えば女を落とせる!といった内容で、要は美味しい、雰囲気の良い店が女性を口説くという視点で面白く紹介されている。時代に沿っていない内容もあるが、読み物としても面白いのでおすすめだ。

だが、読み物として面白いだけでは、この本の真の機能は女性を口説き落とす店を紹介する、であり、つまりはガイドブック。ガイドしないといけない。

◼️ガイドメディアは間違えてはいけない。特に、閉店していたら致命傷

今、料理屋を紹介するメディアとして一番初めに思い浮かぶのは、食べログぐるなびなどのサイトだと思う。そのサイトは頻繁にお店のステータスが変わる。閉店したか否かは、ガイドメディアとしては特に重要で、営業していない店に案内するガイドメディアは一瞬で信頼を失う。そういう点で、食べログぐるなびは更新が頻繁にあるので利用していて安心感がある。

◼️ガイドメディアが本の場合

本であると、印刷してしまったらもう更新されることはない。生物のように一度摘んでしまったら、どんどん鮮度が落ちていく。ガイドメディアとして、本は機能しないように思えるが、例えば旅雑誌のるるぶは、どんどん新刊が出ている。本においても、新刊を立て続けに出す事で、ガイドメディアとして安心を維持している。

◼️「東京いい店やれる店」の場合はどうか

「東京いい店やれる店」の場合はガイドメディアの側面を持ちつつ、口説くという視点があるため、口説き落とすための方向性もみえ、how toの側面もある。僕個人としては、例え、「東京いい店やれる店」に載っている店の多くが閉店していたとしても読み物として捉えているので怒らないけど、事前に予約するタイプでない男が、『そういえば「東京いい店やれる店」で載ってた店がこの辺にあるな』と思って、いざ女性を連れて行ってみたら廃墟だった、ということも無きにしも非ずで、男はヤれないどころか、女性が「ヤら(殺さ)れる」と思って、2人の先に暗雲が立ち込める。ガイドメディアと捉えるとこうなるので、how to本としてこれからも読まれて欲しいし、もしくはお店だけ更新して出て欲しいと思う。

ただお店の更新はやこしい作業だと思うので、『「東京いい店やれる店」に行ったら廃墟だった』というネタコンテンツ(閉店した店の一覧と、その閉店した店に行って失敗したエピソードをユーザーは書き込む痛いサイト)がネットで出て周知できたら、良いのにと思う。
その失敗からもう一笑できたら、その失敗含めて「東京いい店やれる店」の店が閉店というネガティヴがポジティブに消化できるし、そう使われることすら、端から想定されているようにも思える。