単なるアイドル映画じゃなかった…ももクロ「幕が上がる」が素晴らしかった件

昨夜、飲みの席で、NHK出身の演出家が素晴らしいという話になり、映画「るろうに剣心」の大友啓史さんなどの話があがった。るろうに剣心を単なるアニメの映画版として見ないままでいるのは勿体ない、こんなアクションの表現があったんだ、どこまでが加工?と「?」の連続、戦闘シーンに釘付けになる。

演出家の話の流れから映画「踊る大捜査線」の話になり、それも、というかまた演出の話で、本広克行さんの話になり、その本広克行さんが監督を務める現在公開中のももクロ映画「幕が上がる」の話になり、その映画がとても素晴らしかったとまとまった、というか、僕はその映画を見ていず途中から話についていけずで…で興味をもったら24時間以内に動く、ということで朝一の回を観てきた。

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「幕が上がる」には、ももいろクローバーZ全員が出てきて、作品の中にはももクロの曲がふんだんに出てきてアイドル映画なのだが、ただももクロのアイドルとしての可愛らしい魅力が伝わってくるだけでなくて、「こんなに自然体な高校生の演技ができるんだぁ」と感心してしまった、なんか上から目線で申し訳ないし、そんなつもりはないんだけど、ももクロと言ったら歌は下手だけど体当たりで頑張るイメージで、アート系は不器用なのかなと思っていたのに、口から出てくるセリフに嘘がないような、自然に本人の言葉として出ている感じがして、それが良かった。これは彼女たちの演技と配役の上手さか。

で、女子高生はよく動く。その動きがあるシーンでは基本的にカメラは固定せず横に流したりして、しかも、セリフが終わるタイミングで良い位置で止まる、もっと単純にできるところをカメラを複雑に動かす手間は、青春時代のキラキラそして時に切ない世界をリアルに感動的に広く切り取っていたように思う。自転車のシーン、校内を走り回るシーンは、人の動きに合わせて背景が動き、あの青春の頃のスピード感がよみがえる。途中の部のリーダーが悩むシーンの暑さと苦しさを表現するシーンは笑ってしまうんだけど、その悩みというか苦しさが面白いというかたちで伝わってきた。

そんな感じで10歳くらい若返って、またさっき、10歳くらい加えられて元に戻った。再びの青春をありがとう。良い映画でした。