ドイツ旅客機墜落が起きてわかる操縦室のこわさ〜セキュリティの難しさと許可責任〜

フランスの山にドイツ旅客機が墜落し、昨日は山に飛行機の破片が散乱している画像が溢れた。そこに人間の姿は勿論ないのであるが、それは隠されたものではなく、今日のニュースをみて、人も姿がわからないくらいの衝撃があったそうだ。遺族は現地に向かうというが、本人かもわからないくらいに砕けてしまった遺体の一部分を見て、怒りをどこにぶつけるのか、考えると心苦しい。

最近飛行機の墜落事故が目立つ。その多くは飛行機本体のトラブルが引き起こしたものとして処理されているため、今回の墜落も機体トラブルと当初は思われた。だが、昨日ある専門家が「高度12,000mからの急降下はあり得ない、テロの可能性がある」と言った。本当か?と思ったが、今日はその方向で、副操縦士の犯行ということが流れた。若干27歳だという。

飛行機の操縦室は何かと興味の対象にされ、テレビでも取り上げられるが、操縦室自体のセキュリティの部分はあまりフォーカスされてこなかったと思う。

ニュースで専門家が、「9.11以来、操縦室はセキュリティを強化した。弾丸が貫通しないことは勿論、外から中に入る鍵のパスワードも、中から変えることができ、通常に開ける時も必ず中からの許可が必要」ということだ。つまり、中にいる人が主導権を握ることができて、今回のように副操縦士が上の操縦士を切り捨て操縦の主導権を握ることができてしまう。

中にいる人が安全だと信頼された上で操縦士になっている、そういうことだが、今回のような副操縦士による自爆が起こってしまった。

セキュリティは難しいと思った。
飛行機で一番偉いのは、というかここでいう偉いというのは、飛行機の安全を考えた上で重要な人物は操縦士と、そういう意味なのだが、偉い操縦士が主導権を握り、セキュリティすべての許可責任を持たせるというは納得なのだが、今回の事件で、それが揺らいだ。だったら、管制塔の人たちがやるかというと、その飛行機の状況はその飛行機の内部の人間が一番よく知っていることもあり、誤った判断を簡単につくれてしまったり、判断が遅れてしまったりすると思われる。だったら、責任を優先順位付けして分散させるという考え方もあるが、確かにそれも良さそうだが、今回のようにものの、数分で墜落に至るケースにおいて、そのスピードには追いつけない。色々考えると操縦士に一任するのがベストと思われるのだが、今回の事件が起こってしまった。

副操縦士の精神的な異常が原因というのは簡単だけど、そういう人を見極めるのも相当難しい。副操縦士を副操縦士として任命した責任なのか、その副操縦士に免許を与えた人の責任なのか、そんなことはわからないから、副操縦士の精神的な異常だけが、主旋律で流れる。